頂点に立つ、頂点に立たされる。
きっかけは能動的であれ受動的であれ、人には組織の頂点に立つ巡り合わせがあります。 トップに立つということは多くの場合孤独です。 孤独に打ち勝つこと、このことがどれだけ辛いかはそこに立った人にしかわからない。
「役職・立場」としての自分と「個人・私人」としての自分をうまくコントロールできることが肝要。 日本人はこの「演じ分け」がとても苦手です。 本音を言ってはいけない時に、感情的に情緒的に不用意な発言をして舌禍事件に発展する。
一方では、型にはまったような紋切り調の発言は人間味がないと批判される。 だから、組織の長になる人はこの狭間で悩むことになる。
また、人間は甘言に弱い。
残念ながら、多くの人は「権力」になびく。報復、仕返し、処遇が怖いから。
日本人のトップに客観的に評価をできる人が少なく、耳障りの悪いことを言う人は遠避けられる。
立場に与えられたものを、個人の人間性に与えたれたものと勘違いして横柄になる、いばる。
そんなトップに正直に物を言えますか?
だから、トップにはいい情報しかはいってこないと思っていた方がいい。
下の立場の人も叱られ下手、怒られ下手。
トップの足を引っ張っても何の得にもならない。
逆臣利君という言葉もある。
トップを上手にサポートすることが、組織のため、上のためになる。
ひいては自分のためになるという意識付けはとても重要。
ぶれないこと。
公正・公平であること。
トップにとって、とてもとても大事な資質です。
トップが下した意思決定は、大抵の場合、瞬時に皆に知れ渡る。
その時、下は、トップと自分の関係に置き換えて、その意思決定を判定する。
自分へ下した判断とは違う。なぜ?
下はそのトップを信頼しなくなり、常にその判断を疑うことになる。
だからといって、下の思考能力を奪うような経営は最悪、最低。
そういう人ほど、自分の経営判断に自信を持ち、迷っていない。俗に言う「聞く耳を持たない人」。
志のあるトップが必ずしも成功者になるとは限らない。
でも、志のある人は目先は成功しなくても、その人には将来必ずまたチャンスが巡ってくる。
ビジネスでもアートでも、人は成果を出すことを要求される。
成果を出せば、信頼・信用が生まれる。
信頼・信用を勝ち取った人は、まわりに影響を及ぼすようになる。
影響を及ぼす人は、自然に力を持つように押し上げられていく。
そういうトップは回りに変化を予感させ、動機付けができ、期待を抱かせます。
それは下の勇気となって、トップは尊敬を得ることができます。
そのようなトップを目指そうという方は、だから、組織の外部に信頼できる相談相手が必要なのです。
私は、過去30年以上のビジネスの経験の中で、海外の人とも仕事をする機会に恵まれました。
ありがたいことです。お金をもらって経験ができた。
この経験はきっと次世代の人のいい拠り所になる。
そういう動機で、今度は皆さんのお手伝いをしてみたくなりました。
最近思うこと。
社会は進歩したのか?
以前と比べて、人はより幸せを感じることができるのか?
人々が豊かで安心な生活を送れる世の中がいい。
平成23年9月25日
株式会社フロンティアーズ
代表取締役社長 兼 CEO
伊藤 裕太